2019.05.06

根管治療の痛みの正体について

根管治療に関連する痛みは主に3種類あります。

 

  1. 治療前の慢性痛
  2. 治療前の急性痛
  3. 根管治療後の急性痛

 

があります。それぞれの痛みが起こる原因や対処法について詳しくみていきましょう。

 

 

治療前:うずきや鈍痛を伴う慢性期の痛み

慢性期の痛みについて

慢性的に、痛みの出る状態が続きます。
痛みを感じない時もありますが、特に疲れている時や体調が悪い時に痛みを感じやすくなります。また運動した時に、上の奥歯が痛む場合があります。
痛みの感じ方は人によってさまざまですが、次に続く急性期の痛みと比べると、比較的鈍い痛みとなります。

慢性期にお口の中で起きる症状

  • 歯肉が腫れたり、潰れたりを繰り返します。
  • 歯肉を押すと違和感があり、歯肉にある小さな穴から膿が出る場合があります。
  • 物を咬むと違和感があります。

慢性期の状態とは

痛みは時々しか感じないかもしれませんが、歯の中は深刻な虫歯です。
根管内にあった歯髄(血管や神経)が壊死(えし)して、歯根の先に膿が溜まっていることが考えられます。ちょっとしたきっかけにより、急性痛に移行する場合がります。

痛みの対処法

すぐに痛みを抑えるために

市販の痛み止めを服用しましょう。慢性痛は複合的な原因で起きている場合が多く、単純に冷やすだけでは鎮静しません。
かかりつけの歯科医院で応急処置を受けるとよいでしょう。咬み合わせをおとしてもらい歯の安静を保ちます。

痛みの原因を取り除くには

すでに歯の中は深刻な虫歯です。慢性の痛みは自然には治りにくいので、早めの根管治療をお勧めします。
放置してしまう症状が進行し、抜歯や外科的治療の可能性が高まります。

治療前:激痛を伴う急性期の痛み

急性期の痛みについて

  • ズキズキと激しく、鋭い痛みが出ます。
  • 体温上昇や噛み締めにより、痛みが悪化します。
  • 痛み止めを飲んでも効かない場合が多く、眠れないほど痛い方もいます。

 

その他の身体の状態

 

  • 次第に歯肉が腫れてきます。
  • 上の歯であれば目の下まで、下の歯であれば首のあたりまで腫れてくる場合があります。
  • 物が飲み込めないくらい喉が腫れる場合があります。
  • 微熱があり体がだるくなります。

急性期の状態とは

根管内にあった歯髄(血管や神経)が壊死(えし)して、歯根の先に膿が溜まっていることが考えられます(急性化膿性根尖性歯周炎)。
それが内外からの刺激により圧力が上がり、急性痛に移行したものです。数時間から数日間続き、やがて慢性痛に移行します。
歯髄が壊死していなくても何らかの原因により歯髄に炎症(歯髄炎)が起き、同様の症状が出ることがあります。

痛みの対処法

すぐに痛みを抑えるために

市販の痛み止めを飲み、患部を冷やしましょう。
かかりつけの歯科医院で応急処置を受けるとよいでしょう。

痛みの原因を取り除くには

すでに歯の中は深刻な虫歯です。早めの根管治療をお勧めします。
放置してしまう症状が進行し、抜歯や外科的治療の可能性が高まります。

治療後:一時的にズキズキする痛み

こんな時に慢性期の痛みがあります

  • 根管治療を受けた後、治療をした歯がズキズキ痛む場合があります。
  • 腫れを伴う場合があります。

痛みの原因

治療で根管内の感染源が取り除かれると、歯茎や骨の中に残っている膿を排出しようと身体の免疫反応が活発になり、それが原因で急性痛が起きます。

痛みの対処法

痛み・腫れは一時的なもので、おさまりますのでご安心下さい。
処方された痛み止めを飲み、お風呂・アルコール・運動など体温が上がる状況を避けてください。
すべての痛みに共通することではありますが、お薬にアレルギーや合わない(お腹を壊す)などの問題がない限り、処方された化膿止め(抗生剤)や痛み止めは早めに飲んだ方が効果的です。痛みを我慢しすぎてしまうと、治った後も違和感が消えなくなります。決して我慢せず、早めに痛み止めを飲んでください。

橋爪英城

根管治療専門医の紹介

医療法人社団天城会設立 理事長
橋爪エンドドンティスデンタルオフィス 院長
橋爪 英城

・歯内療法 専門医
・根管治療専門医 専門医
・日本歯科保存学会歯科保存治療専門医認定 専門医登録番号710号
・日本大学松戸歯学部専任講師
・デンツプライシロナ公認インストラクター


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